2012年10月30日火曜日

日本の逆襲はあるのか?

週末の2日間、NHKスペシャルで「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」をやっていましたね。興味深かったので、土曜日に放送した「第1回 岐路に立つ"日の丸家電"」を見ました。ここ数年、日本の家電メーカーは元気がない状態ですが、なぜここまで業績が悪化してしまったのでしょうか?番組では、今年からソニーの社長となった平井さんが登場していましたが、まずは「社員の意識を変える」ことが重要だと言っていました。日本のメーカーが、今後逆襲をするためにはどのように意識を変えていくことが大事なのでしょうか?

◆顧客が求める商品を開発する
日本の家電メーカーは、顧客が望む商品を開発していたのではなく、技術の向上に取り組むことを追求していたようです。機能を良くすれば顧客は商品を購入してくれると思い込んでいたのではないでしょうか。一方、アップルやサムスンは、顧客が求める商品は何かを徹底的に考えて商品を開発しているからこそ成長できているのだと思います。番組では、サムスンで10年間常務を勤めていた人が登場してきましたが、「技術で競い合うのではなく商品の魅力で競い合う」ことに拘ってきたと言っていました。日本のメーカーも顧客視点に立って商品を開発するというあたりまえのことを再度、意識していくことが大事だと思いました。

◆自前主義からの脱却
日本のメーカーは自社の技術だけで戦おうとしていたようです。例えば、シャープが2004年に稼働した亀山工場では、「ブラックボックス戦略」を採用していたとのことです。これは、工場内部を非公開にして技術が競合に漏れないようにし、独自の技術のみにこだわる戦略です。
一方、サムスンは異なる戦略で、自社の技術だけでなく、使える技術は積極的に他社から参考にしていました。取引する協力会社に工場を公開し、一緒に商品開発や工場の効率化などに取り組んでいたとのことです。自前だけの技術ではなく、幅広く他社からも最先端の技術を取り込むことで、競争力につながっていったのだと思います。

◆組織間の連携
ソニーの平井社長は世界中を回り、従業員に、「One Sony」という言葉をしきりに伝えていました。ここ数年は組織の縦割りの壁が強くなり、組織間の連携がなかったとのことです。平井社長は、今は商品開発をする上で、一つの部門だけでは顧客が求める商品を開発することができないと言っていました。顧客のニーズが複雑になり、顧客の求める画期的な商品を開発するためには、様々な部門からのアイデアが必要になってくるのだと思います。平井社長は、事業部の連携を強めるために横串でアイデアを出し合うプロジェクトをつくりあげました。それにより、テレビと音響の2つの事業部が手を組み、高画質で音質の良いテレビを開発するなど、組織間の連携強化の取り組みを始めています。

この番組を見て、日本の家電メーカーの業績が悪化してきたのは、今までの成功に囚われ、謙虚に周囲の意見を聞くことを怠ってきたことが原因の一つではないかと思いました。その間、他の国の競合メーカーは、顧客、他社、自社の他部門と密に対話をすることによって、顧客が求める商品を開発でき、成長してきたのではないでしょうか。

日本の家電メーカーも意識を変え、謙虚に周囲と対話をすることで、元気を取り戻してほしいと思っています。私自身も意識していきたいと思います。

2012年10月21日日曜日

国際人として必要な力とは?

昨日、NHKスペシャルの「シリーズ日本新生 "国際人"がニッポンを救う」を見ました。

現在、国際的に日本の競争力が低下してきています。20年前には、日本は「国際競争力ランキング」で1位でしたが、現在は24位にまで落ち込んでいます。競争力の低下の一つの要因としては、国際的に活躍できる人材が不足している点が挙げられると思います。今後、日本は"国際人"として、世界で活躍していくためには、どのような力を身につけていけば良いのでしょうか?

番組では、実際にグローバルでビジネスをしている方が、以下の発言をしていました。
・「国際的な企業活動では、国籍、人種、宗教、考え方など多様な中で行っていくことを認識することが非常に重要」
・「多様なグローバル環境でビジネスを行っていく場合は、10回失敗して 1回当たれば良いというマーケットがほとんど」
このような多様な環境のなかでは、答えのないことに対して、「自分で考えて、周囲に伝えて、実行していく力」が一番重要だと思いました。

日本人は特に、「自分で考えて意見を伝える」ことが一般的に弱いと思います。なぜなら、学校では知識を覚えることが評価され、自分で考えて発言する教育がほとんどされていないからです。

私は高校生の時に、アメリカに留学した経験がありますが、日本の教育との違いに驚いたことがあります。ある授業のテーマで「死刑制度」を扱いましたが、基本的に先生から教えてもらうのではなく、生徒が中心となって、賛成・反対か自分の意見を伝え合い、ディスカッションを行いました。それぞれ多様な考え方ぶつけ合うことで、テーマに対する関心が高まり、自分なりの意見を持つことの重要性を理解することができました。

スタジオで参加されていた京都大学客員准教授の瀧本哲史さんは、大学生に対して起業論の授業をされていますが、「答えがない事をみんなに議論させて、意見を出し合って、結局よく分からなかったという授業を行っている」と言っていました。先生が正解を教えてくれるのではなく、自分で考えることが重要だということを教えるのが教育で、"国際人"としても必要な力だと考えているとのことです。このような考え方を持ち、日々意識し実行し続けることで、「自分で考えて伝える」力が養われ、"国際人"としても通用する力が身についていくのだと思います。

私はこの番組を見て、一つ一つの仕事に対して丁寧に深く考え、周囲に納得してもらえるように伝えることを意識して行っていくことが大事だと改めて実感しました。

2012年10月14日日曜日

育児から学ぶ人材育成とは

私には、現在、もうすぐ2才4ヵ月になる息子がいます。「イヤイヤ期」「魔の2才児」という言葉がありますが、まさに息子がこの状態です。「おむつ変えない」、「服着ない」、「お風呂に入らない」、「保育園行かない」など、すべてに対して「イヤ」という状態です。「イヤイヤ期」の子供に対して親として、どのように接すれば良いのでしょうか?

昨日は妻が仕事で、私が子守をする日だったので、一緒にスイミングスクールに行きました。クラスが終わり、シャワーを浴びて着替えて帰ろうとしました。すると、いつものイヤイヤがはじまり、「おむつはかない」、「服着ない」と言って、ロッカーの中に入ったり、駆け回ったりして遊びはじめてしまいました。私は、「やめなさい!」、「おむつをはいて!」、「服を着て!」と何度も繰り返し伝えました。しかし、言うことを聞きません。「ママが家で待っているよ」、「帰ってごはんを食べよう」と誘ってみましたが、ダメです。しまいには、「言うことを聞かないと、プールにもう来ないよ」と脅してみたり、「パパはもう先に帰るよ。」と帰る振りをしましたが、まったく効果はありません。30分ぐらいこのやり取りが続きました。まったく言うことを聞かないので、最終手段として、嫌がって泣き叫んでいましたが、無理やりおむつとズボンをはかせました。しかし、またすべて脱いでしまい、床に寝そべって泣いていました。最終的には、1時間ぐらい疲れて途方に暮れていたところ、ようやく「自分で着る」と言って服を着て、帰ることができました。子守は本気でしたくないと思いました。

帰って妻に今日の出来事の話をしました。すると、妻は子供が「イヤ」と言っている時に、意識していることを教えてくれました。自分にとって、とても参考になったのでご紹介します。

◆理由を伝える
してもらいたいことを伝えるだけではなく、理由を伝えることが大事とのことです。私は理由を伝えず、してもらいたいことしか伝えていなかったことに気付きました。理由を伝えることで、なぜしなくてはいけないかを、子供でも理解できるので、妻はしっかり伝えるようにしているとのこと。それにより、してもらいやすくなるとのこと。例えば、服を着ない場合は、「服を着なさい」だけでなく、「風邪を引いちゃうから服を着ようね」と伝える。おもちゃを投げている場合、「おもちゃを投げない」だけではなく、「壊れてしまうと遊べなくなっちゃうから、おもちゃを投げないでね。」と伝えるようにしているとのこと。

◆分かりやすく具体的に伝える
子供が理解できるような言葉で分かりやすく具体的に伝える。例えば、食事中に椅子に立って食べている場合、「やめなさい!」、「何やってるの!」と言うのではなく、「椅子から落ちて怪我をするといけないので、ちゃんと座ろうね。」と具体的に伝えることを意識しているとのことです。

◆命令するのではなく、気持ちを伝える
「~しなさい」と命令するのではなく、「~してもらえるとうれしいな」、「~しないと悲しいな」と伝えることで、気持ちを理解してもらえるので、自ら行動をしようと思いやすくなるとのことです。確かに、妻が怒っている時は、「ごめんね」と言ったり、妻が落ち込んでいる時は「ママ大丈夫?」など、最近は人の気持ちも分かるようになってきているので、気持ちを伝えることが効果的かもしれないと思いました。

◆子供と真剣に向き合う
妻は、子供に伝えたい時は、子供と同じ高さの目線で、両手を握って伝えています。子供と向き合い、真剣に伝えることが大切とのことです。自分を振り返ると、真剣に子供と向き合って伝えていなかったと反省しました。言うべきことを言っていただけで、子供に伝えていませんでした。この姿勢では子供にも伝わらないと思います。私は、子供に伝える時は、この「真剣に向き合う」姿勢が一番大事だと思いました。

以上は、当たり前のことかもしれませんが、つい子供を目の前にして感情的になってしまうと、忘れがちになってしまうことだと思います。これからは、以上のことを意識して子供と接していこうと思いました。すぐには話しを聞いてくれないかもしれませんが、根気良く接していくことが大事だと思いました。

ぜひ、先輩方で、イヤイヤ期の子供に対しての接し方に関して、効果的なことがあれば、教えていただけると嬉しいです。

また、今回は子供に対しての接し方について書いてきましたが、以上のことは、仕事で部下やメンバーに対して育成をする時でも同じように重要なことだと思いました。仕事でも、育成で一番重要なことは、「相手と真剣に向き合う」ことではないでしょうか。なぜなら、部下やメンバーは、上司が真剣に自分と向き合ってくれることで嬉しく感じ、期待に応えたいと自ら主体的に行動すると思います。それによって、成長につながると思います。

2012年10月7日日曜日

「強いチーム」に一番必要なことは「信頼関係」

あなたが所属しているチームは「強いチーム」と言えますか?

現在のビジネスが多様化し、スピードが求められる状況では、1人の強いリーダーがメンバーを動かし成果を出すことは難しい状況になっていると思います。現在求められているのは、リーダー1人がメンバーを動かして成果を出すのではなく、メンバーが自ら考え行動しお互いに協力し合いながら「チーム」として成果を出すことだと私は思います。

「強いチーム」とは、「ある目的や目標を決められた時間内に達成することができるチーム」です。強いチームは、個人が持っている力を「1」とすると、個人が持っている力(「1」)の総和(1+1=2)よりも、より大きな成果(1+1>2)を出すことができると良く言われます。では、どのようにすれば強いチームをつくることができるでしょうか?

私は、強いチームをつくるために一番大事なことは、「信頼関係」だと思っています。なぜなら「信頼関係」があることで、目標達成に向けてお互いに一番協力し合うことができるからです。信頼の意味は、辞書では「信じて頼りにすること。頼りになると信じること。また、その気持ち。」とのことです。私は、信頼関係とは「お互いに目標を達成するために、責任を持ってやり遂げる・やり遂げてくれるとお互いに信じ合えている関係性」だと思います。信頼関係は、同じ目標に本気で取り組むことででしか生まれないと思っています。

私は企業に対して、チームワークの研修も行っています。
例えば、
・一つの部門・課に対して、チームとして成果を出す意識を高める
・新しくプロジェクトが始まる前に、人となりを知り、関係性を強化する
・中堅社員や全社員向けに職種・部門を越えた横への連携強化の意識を高める
などを行っています。

チームワークの研修には、アクティビティ(体を動かしながらチームで目標や問題解決に取り組む活動・ゲーム)を取り入れて行っています。なぜなら、アクティビティを利用しチームで目標に本気で取り組む体験を行うことで、お互いに信頼関係を築くことができるからです。
アクティビティでは、チームで本気で取り組んでもらうために、様々な仕掛けを設定しています。
・アクティビティ自体が面白く、がんばれば達成できるくらいの難易度に設定して、やりたいと思ってもらうような内容にする
・目標達成に対して連帯責任にすることで、全員がコミットしなければいけない設定にする
・最初は簡単に達成できるアクティビティで成功体験を積みながら本気度を上げていき、少しずつ難しいアクティビティを行っていく設定にする

参加者は目標に本気で取り組んでいく体験を通して、信頼関係を築き、「強いチーム」になっていきます。

そして、最後に研修での学びを仕事に活かすために、仕事の場でもチームとして成果を出していくために、自分や自分達はどのように行動していくかを考えていきます。過去にチームワーク研修を受けた参加者の方から、「仕事でも、自分達のチームだったらどんなに難しい目標でも達成できると思います。」と力強く言っていただいた言葉がとても印象に残っています。この状態で仕事でも目標達成に向けて取り組み続けることができれば、これこそが「強いチーム」だと言えると思いました。