2012年3月18日日曜日

体験学習の研修とは



このブログでは人材育成に関して関心がある方に対して、
人材開発を行っている会社に勤めている私が、日々感じた
ことについて書いていきたいと思っています。

私は現在、株式会社シンスターという人材開発の研修を行っている
会社で、研修の企画、開発や講師を行っています。現在の会社に
勤める前は、別の会社で、主に体験学習という手法を使って、
企業や学校に対して人材開発・組織開発の研修を提供してきました。

今回のブログでは、体験学習の研修について聞いたことがない方
向けにご紹介させていただきます。

体験学習とは、座学で講師から教えてもらったり、本や資料から知識を
得るのではなく、体を使った体験(アクティビティ)を通して気づきや
学びを得て、職場での行動変容を起こすことを目的にした学習法です。


アクティビティで、具体的に行う例としては以下です。

・ヘリウムリング
全員で内側向きの円になり、全員の人差し指の上に乗せたフラフープを、
指から離さずに地面に下ろすことができれば、目標を達成。
(途中で誰か一人でも指が離れた場合はやり直し)
⇒チームで目標を達成することの難しさと、協力して目標を達成するために
必要な行動を体験を通して理解する。

・タワービルディング
リーダーから目隠しをしたメンバーに指示を出し、テーブルの上に
置かれた物を、与えられた道具(輪ゴムと紐)のみを使って、所定
時間内に指定した形に組み立てる。
⇒立場が違う関係性(リーダーとメンバー)において、目標を達成する
ために必要なリーダーとしての行動を疑似体験を通して理解する。

など、研修目的によって様々な気づきを得ることができるアクティビティ
があります。


体験学習で学ぶプロセスとしては、以下①~④を繰り返し行っていきます。

①体験:アクティビティとして、チームで目標達成に向けて取り組む
②振り返り:アクティビティを振り返り、チームで目標を達成する時に必要な姿勢・
行動を理解する
③分析:アクティビティからの学びが、実務・仕事にどのように活かせるのか考える
④仮説化:実務・仕事で活かせる行動の仮説を立て、実行して検証する

チームで協力しながら目標を達成するというシンプルなアクティビティ
を通して、仕事のなかで組織として、目標を達成するために必要な行動を腹落ち感
を持って理解することができます。

また、体験学習の特徴としては、以下2点があります。

・自分の素が出やすく、自分の強み・弱みを認識することができます。
アクティビティでは、無意識の自身の考えや行動の癖が出やすく、自身で
振り返ることができます。また、一緒にワークを行ったメンバーから率直なフィード
バックも得られるため、客観的に自分の強みと弱みを認識することができます。

・受講者同士の関係が深まります。
同じ目標に向かって意見を出し合い、体を動かしながら取り組むことによって、
お互いの関係性が深まります。

研修で、より気付きを深めて行動変容につなげていきたいと考えている研修担当者
の方は検討してみてはいかがでしょうか。



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