2012年7月8日日曜日

星野佳路さんに学ぶ社員のやる気を引き出す考え方とは


今回のブログでは、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」から、星野佳路さんの社員のやる気を引き出す考え方についてご紹介します。ご存じの方も多いと思いますが、星野佳路さんは、星野リゾートというリゾートホテルの運営をしている会社を経営しています。事業としては、経営不振に陥ったホテルの再建もしています。星野さんは、山梨県のリゾナーレや、北海道のアルファリゾート・トマム(現、星野リゾート トマム)など数多くのホテルの再建を成功させ有名になりました。私が星野さんを知ったのは、5年ほど前にリゾナーレで宿泊の研修を数多く行っていたことがきっかけでした。かつてリゾナーレは、負債総額が147億円あり、廃業寸前だったそうですが、星野さんが3年間でリゾナーレを再建をさせたとの話を聞き、どのように行ったのか、とても関心を持っていました。
星野さんは、再建の鍵は、「うつむきがちな社員のやる気をどのように引き出すか」だと言っています。これから職場がどうなるのか分からず、不安な気持ちを抱えた社員のやる気を、星野さんはどのように引き出していったのでしょうか?

◆「任せれば、人は楽しみ、動き出す」
星野さんは、31才の時に、父が経営していたホテルを継ぎました。その時にはアメリカで学んだホテル経営学を駆使して、詳細な接客マニュアルを作成しました。そして、マニュアル通りの行動を社員に求めるなど、トップダウンで指示をするやり方を行ったとのことです。しかし、ベテラン社員が反発して、1/3の社員が辞めてしまったとのことです。その時に、どのようにしたら社員が辞めずに働いてくれるのかが経営の最重要課題になり、悩んだとのことです。その経験から、「任せれば、人は楽しみ、動き出す」ことに気づいたとのことです。
まず、星野さんは再建をする際に、社員に「経営者が主役ではなく、みなさんが主役である」と伝えるそうです。そして、社員に仕事を任せ、最終的な意思決定は社員がするようにしているとのことです。自分達が決めた結論だからこそ、やる気になってがんばるようになるとのことです。組織構造もフラットにして、仕事ごとに10人程度のユニットをつくり、責任者を立候補制にして、やる気がある人にリーダーになってもらう仕組みにしているそうです。

◆社員の共感を得る
星野さんは、再建をする際に、ホテルのコンセプト(誰に対して、何を提供するのか、自分達の強みは何か)を、市場調査やデータ分析・整理を通して、社員と徹底的に考えるそうです。コンセプトを決める際に、星野さんが最も重要にしているのは、「共感」とのことです。コンセプトは、正解はないため、正しいものではなく、社員に最も共感してもらえるもので決めることが重要だと言っています。社員が、どんなリゾート施設にしたいのか、自分は何になりたいのか共感でき、自分がやるべきことをイメージできることで、自分のホテルに対してプライドを持つことができ、自ら動くようになるとのことです。
星野さんは、理想のリーダーについては、「行き先、ビジョンを示し、共感を得る力を持っている人」と言っています。これから社員にどのような素晴らしいことがあるのかを伝え、強制的ではなく、自らやりたいと思ってもらうことが重要とのことです。

星野さんは、「社員を信じる」ことがホテルを再生するために一番重要だと言っています。社員は、基本的にお客様に楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいと思っている。そこを信じることができれば、社員信じ、任せることができるとのことです。私は、現実的に、リーダーが「社員を信じる」ことは、社員が誤った意思決定や行動をとってしまうリスクがあり、難しいのではないかとも思いました。しかし、「社員を信じ」、共感できるコンセプトを共有し、仕事を任せることでやる気を出し、自ら動き出す社員が育つと感じました。星野さんの考え方は、リーダーとして参考になることも多いと思います。

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