2012年4月8日日曜日

アクティビティの紹介(ブラインドスクエア)

今回のブログでは引き続き、体験学習のアクティビティに
ついてご紹介いたします。

今回ご紹介するのはブラインドスクエアというアクティビティです。
このアクティビティは比較的、企業の研修で実施されていることを
研修担当の方から聞きます。

このアクティビティは、リーダーを一人決め2チームで行います。
リーダーとメンバーは全員目隠しをします。リーダーにのみミッションが
伝えられます。ゴールは、それぞれのチームが輪になったロープを持ち、
ロープで正方形をつくり、お互いのチームがつくった正方形を25%重ね
れば達成です。

みなさんは、最終のゴールの形をイメージすることはできますか?
少し考えないとイメージするのは難しかもしれません。

ゴールの形は、正方形を小さい正方形4つに分けてそれぞれを1/4
ずつ重ねます。
平行に4つ切って1/4重ねるやり方もあるので、リーダーは全員に
ゴールイメージを明確に伝えることが困難な状態です。

1チームは4~8人程度が良いと思います。(最低正方形の4つの角に
一人ずつ人が必要になります。)準備としては、8~10メートルぐらいの
ロープを結んで輪にします。

ルールとしては、以下です。
・リーダーにのみミッションが伝えられます
・リーダーとメンバーは目隠しをする
・リーダーはロープを持たなくても良い
・メンバーは両手でロープを持たなければいけない
・メンバーは持った両手をずらすことができるが離すことはできない
・目隠しをしたら、終わるまで外すことはできない
・できたと思ったら、講師に伝え地面に置く
・両チームは3メートル程度離れた状態からスタートする
・制限時間は20~30分程度

進め方としては、
①リーダーを一人決めます
②その他はメンバーになり、2チームに分かれます。
③それぞれのチームは、5メートルぐらい離れます
④それぞれのチームは内側向きの円になって目隠しをします。
⑤両手を前に出してもらい、講師がロープを渡し両チーム全員が
両手で持ちます。
⑥講師からリーダーにアクティビティのミッションを説明します。
⑦アクティビティスタートです。


実施時に起こりがちなことは、リーダーはスタート直後に、最終形を
どのようにするかに関して伝えようとしますが、目隠しをしていて、
チームがお互い距離が離れているため、ゴールとプロセスを全員がイメージ
することが難しく、まずはそれぞれのチームで正方形をつくりはじめます。
その際に、メンバーは両手でロープを持っていなくてはないけず、何も
できないと思ったり、また、ゴールとプロセス、そして状況も分からない
ため、目標への意識が薄れ、指示待ちになることや、全体の目標ではなく、
自分が行う目の前のタスクをこなすことのみに集中します。

また、お互いのチームが5メートルぐらいの距離にいますが、それぞれの
チームが作業を進めていきます。リーダーもどちらか片方のチームにずっと
入ってしまい、正方形ができるまではお互いに何も話しをしません。

そして、お互いのチームが正方形をつくり、25%重ね合うために動きますが、
リーダーは2つのチームに指示を出さなくてはいけないと思い、一方的に指示
を出します。メンバーは、最終のゴールを全員が理解していなく、状況が
さらに分からなくなるため、はさらに受身や目の前のタスクのみを行うよう
になります。

このアクティビティを行って感想を聞くと、リーダーとメンバーからは
以下のような発言があります。

【リーダー】
・最初に全員にゴールを伝えて理解してもらえば良かった
・自分がずっと指示を出していたが、メンバーとやり方を考えて、
共有して進めれば良かった
・もっと分かりやすい指示を出せれば良かった
・チーム間での情報共有をもっとすれば良かった

【メンバー】
・最終的にどのような形にするのかするのかイメージが分からなかった
・目隠しでまったく状況が分からないと誰がどこにいるか分からず、
お互いにコミュニケーションを取るのがとても難しかった
・もっと自分から発言や行動をすれば良かった。リーダー任せにしてしまった。
・自分のチームのことだけでなく、他のチームに対してもやり方など
伝えればよかった

そして受講者がこのアクティビティを行って一番実感するのは、以下です。

・チーム間で一つの目標を達成するためには、目標とプロセスを共有すること。
・リーダーは、最初に目標とプロセスを共有し、メンバーが自ら動けるように
すること
・メンバーは、指示を受けて動くだけでなく、一人一人が全チームの成果を考えて、
主体的に行動することが重要

このアクティビティは、実際の仕事でも例えば部門や部署間で一緒に仕事をする時に、
リーダーとして、メンバーとしてどのような意識と行動で仕事をする必要がを考えて
もらう際に有効です。「自社でも同じようなことが起きていませんか?」という問いかけで、
受講者は他のチームと仕事をする際には目標とプロセスを共有して仕事を進めて
いなかった、自分は言われたことしかやっていなかったなど、と同じようなことが
起きていると、仕事での自身についてハッと気付くことが多いです。

ぜひ試してみてください。

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